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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

また日本が誤解されてしまう 映画「夜は短し歩けよ乙女」感想

 

話題になったドラマ「タラレバ娘」のように、最近ではこじらせてるものと言えばもっぱら女子のほうが俎上に上がるけれど、もちろん男子のほうだって負けていない。

映画、夜は短し歩けよ乙女は、主人公が成長するわけでもなく、困難に立ち向かうわけでもない。厳しいトレーニングの末にチャンピオンからメダルを奪取するわけでなければ、宇宙人の襲来から地球を守るわけでもない。
普通の大学生が思いを寄せる少女に声をかけられず、ストーカーよろしく彼女「黒髪の乙女」を付け回し、偶然を装って「な」るべく、「か」のじょの、「め」にとまるように行動している。
主人公の「先輩」はその頭文字を取った「ナカメ作戦」なるものを決行している。もちろん堂々と声をかけたりはしない。なぜなら傷つくのが怖いからだ。「先輩」はまさに絵に書いたように冴えない。

森見登美彦原作の同名小説を鬼才湯浅政明がアニメ映画化した。四畳半神話大系と引き続き、キャラクターデザインは中村佑介、主題歌はアジアンカンフージェネレーションとくれば、見ないわけにはいかない。斬新なデザインと色使い、近年の美麗なだけのイラストとは一味違う癖の強い絵柄、キャラクター、世界観。
日本の古都、京都を舞台に誰も見たことのないアニメ映像に仕立て上げた本作に喝采したい。やたらとパンツを奪われる「先輩」、願掛けのためにパンツを脱がない「パンツ総番長」、女装癖のある「学園祭事務局長」など、「四畳半」メンバーがまたしても世界にむけて奇妙な日本像を打ち出し、外国人を誤解させてしまった。いいぞもっとやれ。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

 

 

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沼地に草木は根付かない 沈黙サイレンス 感想

イギリスに半年間住んでいたことがある。2012年の夏から年末にかけてだ。半年とは言えイギリスの家屋に住み、イギリス人と机を並べて仕事をしていた。

イギリスの家屋は日本とはまるで設計思想が違う。気候が違うのだから当然といえば当然だけど、イギリスでは断熱効果を高め、外気を遮断し、セントラルヒーティングと呼ばれる熱した湯を部屋中に送り込んで家全体を温めるシステムによって暖を取るが、日本の伝統的な家屋は風通しを良くして自然の風を取り入れるように設計されている。
欧米の人間は行動に理由を求めるが、日本人は行動に共感を求める。
英語は言葉からしてロジカルだが、日本語は情緒的だ。
英語の一人称単数はIだけだが、日本語は「僕」「私」「俺」「わし」「おら」「おいら」「余」「我」。あとは、『朕は国家なり』の「朕」なんてのもある。
英語で主語が省略されることはほとんどないが、日本語ではしばしば主語は省略される。「私」は消えてなくなるのだ。

電通の新入社員女性の自殺が過労死認定され、大きな話題になっている。そんな日本の社会情勢をアメリカ人のマーティン・スコセッシ監督が見越している、はずはないのだけれど、なんだか関連性を見出さずにはいられない。それはこの作品に永遠不変の真理が含まれているからなのかもしれない。
以下ネタバレを含みます。

 

 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

 

 

 

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平和の反対は自由 カント 永遠平和のために

 

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

 

 

平和の反対とはなんだろうか?

戦争?紛争?剣呑としたイメージの言葉を思い浮かべがちだけれど、ドイツの哲学者イマニエルカントは「自由」ではないかと説く。

人類の歴史と戦争は切っても切り離せない。日本史でも世界史でも、およそ歴史と名のつくものの実態は戦争の歴史であり、支配者と被支配者の関係こそが歴史を形作っていく。

戦争はいかなる場合においても悪である。では、この悪しき存在である戦争を永遠に起こさないためにはどうしたらよいだろうか?

ドイツの哲学者、イマニエルカントが考え抜いた結果、この草稿が生まれた。100分de名著で取り上げられてて面白そうだったので読んだ。国連憲章を作成する上でお手本になったと言われているらしい。

 

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