アメリカという名の病 グレートギャツビー
ドナルド・トランプが45代目のアメリカ合衆国大統領選を制したこの年の11月に、グレート・ギャツビーを読みなおす機会を持てたのは個人的にはとても感慨深い。
彼の公約の一つに、「強いアメリカ」を取り戻すというのがあるそうだ。
いつの時代の、どんなアメリカが「強いアメリカ」なのか僕にはピンとこない。昔は良かったというならば、今はダメなのか?昔と今はどこが違うのか?
1984年生まれの僕から見れば、アメリカは常に世界経済のトップを独走して来た印象だ。Appleやgoogle、Amazon、IBM、枚挙に暇がないがないほどの世界的な大企業に恵まれている。
僕が子供の頃、アメリカは世界の警察という役割を自ら進んで引き受けていた。米軍基地を防衛の要所に設置し、不穏な空気がないかを見張る力強い父親的な存在だ。僕の連想する「強いアメリカ」は「世界の警察」であり、パターナリズムの権化としてのアメリカだった。
しかし、トランプはむしろ米軍基地の縮小も視野に入れているという。これはダブルスタンダードに感じられて、とても不思議だった。
そんな中で添付のインタビューを記事と、それからグレート・ギャッツビーを読んで、気がついた。アメリカは、アメリカという名の病にかかっているのだ。
- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
- 購入: 23人 クリック: 170回
- この商品を含むブログ (484件) を見る
続きを読む
人間をほかの目的の手段として使ってはならない 夫がATMになった日 考察
ブコメでは「夫=ATMって妻=無料の風俗って言うのと同じくらい品がないと思うんだけどなー」と書きましたが、文字数が足りなくてエッセンスしか書けなかったので、補足したいと思います。
この話題を、もしも女友だちが「私の旦那、自分のことに全然お金を使わなくて、私や子供のためばっかりにお金を使うのよねー」と聞いていたら、「へえ、いい旦那さんだね愛されてるね」と返すと思うけど「私の旦那、自分のことに全然お金を使わなくて、私や子供のためばっかりにお金を使うのよねー。だからATMって呼んでる」と言われたら、「いや、ちょっと待って」と反論すると思います。
どうしてこの記事がこんなに『もにょっ』とするのかということについて考察を載せておこうと思います。
続きを読む賢明さなど犬に喰わせろ 深夜特急1 香港・マカオ
第一子だったからなのか、わりと両親からやめなさいと止められることが多い子ども時代だった。あれは危ないからダメ、こうしたら失敗するからこうした方がいい。自分の経験から息子が失敗や挫折を味わうことがないように配慮してくれているというのはよく分かる。
失敗してはいけないという気持ちが強くなるにつれて、チャレンジしたいという意欲も損なわれていった。休日は家にいて、どこにも出かけたくないし、新しいことをは始めるのは、うまくいかなかったら嫌だからやりたくない。
でも、旅にでるようになって、リスクを取ることの目もくらむほどの自由を味わった。誰も僕のことを知らないし、失敗したって誰も僕を笑わない。訳知り顔で忠告してくるような人もいない。開襟を開いてその土地の人間に助言を乞えば、適度な距離感を保ちながら快く教えてくれる。もちろん、それが間違っていたり、煙たがられたりすることもあるにはあるけれども。
僕は旅が好きだ。半年で17カ国ヨーロッパの国々を回ったこともある。今はすっかり落ち着いてしまって、ふらっと旅に出たりはしていない。その時の気持ちも随分と色あせてしまったように思う。ところが、沢木耕太郎の名著、深夜特急を読んで、何がそのときの自分を突き動かしたのか改めて分かった気がした。
続きを読む