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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

「玩具修理者」

ホラーSF作家の小林泰三のデビュー作です。この完成度でデビュー作とは、驚きです。語り口、プロット、細部に至る世界観まで完成された極上のエンターテインメント小説でした。 本書は、表題の「玩具修理者」と、量子力学的な解釈でタイムリープものを描き出…

「第五の権力」

Googleの創始者の1人である、エリックシュミットが書いた、「第五の権力」を読みました。 ブログにツイッター、フェイスブックが流行したことによって、今までオーディエンスでしかなかった人たちが情報を発信できるようになりました。この権力の強さは計り…

1人の命と引き換えに3人の命を救うか否か「これからの正義の話をしよう」

ハーバード白熱教室で有名な、マイケルサンデルの「これからの正義の話をしよう」を読みました。 正義というと、なんだか堅苦しいイメージがあるような気がします。 それは、その言葉をかさにきて誰かを裁いたり罰したりすることが多いからかもしれません。 …

男らしさという呪い「男の子を追い詰めるお母さんの口ぐせ」

男の子がいるわけではないのですが、ジェンダー論として興味があって読みました。昔は僕も「男の子」だったわけで。 まず題名に惹かれたんですが、お母さんが「子ども」でも「女の子」でもなく、「男の子」を追い詰めるというのは、ジェンダーの違いが問題の…

物語として見たときの「ラストサムライ」の問題点

トムクルーズ主演のラストサムライがハードオフで安かったので買って観ました。 ハリウッドが武士道という日本人でも解釈の難しい概念を理解しようと本気で挑んでいることには好感がもてました。例え映画のなかの日本にちょっと違和感があったとしても、そこ…

異形のものの気配におののく「女のいない男たち」

実は中学生のころから村上春樹の文章に魅せられているファンの1人です。今でも好きな小説家は?と聞かれると真っ先に村上春樹の名前が浮かんできます。平易で読みやすい文体とは裏腹に、読んでいるうちに行間からどうしようもない孤独感がにじみ出てくると…

無知こそが最大のリスク「全ての日本人のための日本一やさしくて使える税金の本」

塩野七生の「ローマ人の物語」という本で、政治には長けているが経済に疎い政治家と、経済には長けているが政治に疎い政治家なら、後者のほうが為政者としては優れている、と断言していました。 政治における経済感覚とは、一つは税金のデザインに関すること…

あなたがモテないのは、あなたがキモチワルイからです「すべてはモテるためである」

著者の二村ヒトシが、どこかのネット記事で「すべての男はキモチワルく、すべての女はメンドクサイ」と断言していて、これはこの人の本を読まなくてはならない!と感じました。これほど断定調で大胆な、しかもそれでいて核心をついている(ように見える)ジ…

あなたは誰の為に働いていますか?「金持ち父さん貧乏父さん」

仕事でロンドンのヒースロー空港に行ったとき入国審査で「Who do you work for?」と聞かれたことがあります。 直訳すると、あなたは誰の為に働いていますか?ですから、大いに混乱しました。 誰のためだろう?未婚だし、家族のためじゃないな。自分のため?…

シドフィールドの次はコレ!「SAVE THE CAT 本当に売れる脚本術」

シドフィールドの脚本術は映画脚本のバイブル的な本になっています。主に作劇の作法についての内容であるため、効果は脚本だけにとどまらず小説や漫画など、物語を物語る必要のある全てのジャンルに応用可能と思います。 シドの脚本術は、伝統的な三幕構成に…

どうして「マレフィセント」がイマイチの出来なのか考えてみた

アンジー他俳優の演技は素晴らしかったし、映像も美しかった。音楽も雰囲気も衣装もよかった。となれば、あとは脚本だけ。ですよね。 男がこきおろされてるという人もいるけれど アナ雪と同様にミサンドリー(男性嫌悪)で、男が添え物と化している、という…

多数決が人を殺す「デモクラティア」

結論から言えば、設定はいいのに、惜しい、という感じのロボットSF漫画です。 現代、あるいはごくごく近い未来の話。 一風変わった多数決システムを開発した大学生の前沢と、ロボット工学を学ぶ元設計士の大学生井熊の二人が少女型のヒトガタロボットを製作…

難しい本は読むな!?「ひと月百冊読み三百枚書く私の方法」

せっかく本を読んでも、読みっぱなしというのはよくない。本をよく読んでも考えなければ血肉にならないですよね。どんなふうに本を読めば、それを効率的にアウトプットすることができるのだろう?と思って手にとった一冊です。 著者の福田和也さんという方は…

こちら側の晴見に手を振る「おやすみプンプン」ラスト考察

最終巻を読み終えて、この物語が様々な属性を持っていることに驚く。 青春群像劇であり、ロードムービーであり、ファムファタルの話であり、クライム・ストーリーでもある。 しかし、ラストを見ると、やはりプンプンという青年の成長の物語なのだと思った。 …

リアルウシジマくんのアングラな世界「凶悪」

英語でお金のことをクレジットと言う。クレジットの別の意味は、信用だ。 紙幣は目に見えるが、それはお金と言うものの実体ではない。紙幣の材料原価は、その値段よりもはるかに安い。じつのところを言えば、信用という目には見えないものがお金の実体なのだ…