ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

どうして「マレフィセント」がイマイチの出来なのか考えてみた

 

アンジー他俳優の演技は素晴らしかったし、映像も美しかった。音楽も雰囲気も衣装もよかった。となれば、あとは脚本だけ。ですよね。

 

男がこきおろされてるという人もいるけれど

アナ雪と同様にミサンドリー(男性嫌悪)で、男が添え物と化している、という指摘をよく聞きますが、僕はそうは思いませんでした。この話が女性の母性をテーマとして扱っている以上、女性が中心になるのは仕方が無いところでしょう。今までの多くの映画が男性中心で女性を添え物にしていた感も否めないところがあります。ただ、王子。あの扱いは泣ける。もう、貨物です。フワフワ浮いて勝手に連れ回されて、オーロラ姫とのキスを強要された挙句、オーロラ姫が目覚めないとわかるや否や外に放り出されて、次の王子を探さなくちゃ!ですからね。
ともあれ、マレフィセントが面白くないのはミサンドリーとは別の理由です。アナ雪は面白かったもの。
 
 

全然応援できないお局OLみたいなマレフィセントにがっかり

 
主人公にまったく感情移入できない。そりゃ恋人だと思ってた男に羽をもがれたのは気の毒だと思うけど、妖精の住む家に雨を降らせたり、いたずらして喧嘩させたり、お局OLみたいなちっちゃい嫌がらせをするような女に誰が感情移入できるだろうか。
王になり、父親になった元カレのもとに行って娘に呪いをかけておいて、オーロラ姫があまりに可愛いもんだから自分でかけた呪いを自分で解こうと必死になっている姿はまさに滑稽です。
 

じゃぁ、どうすればよかったのか?

ログラインのとおり、観客の大部分はディズニー史上最恐の魔女マレフィセントが見たかったはずです。悪くて怖くて、しかも強い魔女でありながら観客の共感を生むにはどうしたらよかったか?
答えは単純で、敵をもっと悪く、強大にしなくてはならなかった。もういっそのこと欲にまみれて組織的に妖精とか殺しまわってる王だったら。しかも王がもっと狡猾で残忍で有能であったなら、マレフィセントに共感する余地もあったことだと思います。だって彼女は「妖精たちの守護者」なんですから。
王が無敵すぎて弱点が娘しかないっていうんだったらマレフィセントの行動も素直に応援出来たのになぁ。