ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

あなたは誰の為に働いていますか?「金持ち父さん貧乏父さん」

仕事でロンドンのヒースロー空港に行ったとき入国審査で「Who do you work for?」と聞かれたことがあります。

直訳すると、あなたは誰の為に働いていますか?ですから、大いに混乱しました。
誰のためだろう?未婚だし、家族のためじゃないな。自分のため?お金のため?生活のため?っていうかそもそもそんな質問を聞いて入国審査のおっさんはどうするつもりなのだ?
結局はなんか笑って誤魔化しましたが、この質問の意味は、どこの会社で働いているんですか?です。ですので、会社名を答えれば正解だったわけです。
 
会社に属している以上は雇い主の為に働いている、というのが英語の文脈なのだと思います。でも、少なくとも僕はそんな認識はありませんでした。理屈としてはわかりますけどね。
 
自身も投資家として経済的な成功を収め、現在はコンサルタント業をしているロバート・キヨサキが書いた、金持ち父さんシリーズの1冊めとなる本を読みました。
ロバート氏には、2人の父親がいました。
生物学的父親は、大学で高度な教育を受け、高収入な職につくエリートでありながら、「お金がない」というのが口癖でした。もう片方は、親友の父親で、大学には行っていないけれど、ハワイで一番の金持ち資産家だったそうです。ロバート氏は投資やお金に関する知識は主にこの金持ち父さんから学び取りました。
金持ちになるにはどうしたらいいんだろう?と漠然とした思いを持った少年時代のロバート氏が、この金持ち父さんに指南を受けた内容を本にまとめた、というストーリーです。
(だいぶ脚色された部分はあると思いますが)
 
金持ちになるにはどうしたらいいの?という子供らしい純粋な疑問に、金持ち父さんがレクチャーします。
抵当流れになった物件を購入して短期間で売捌き、利ざやを得るための方法とか、そういう具体的な内容は出てきません。そもそも、お金に関する知識って、ひとたび社会に出たら誰もが必要になるはずの重要なトピックスであるにもかかわらず、学校でほとんど学ぶことなく社会に放り出されます。そういう意味で僕は本書の小学生だったころのロバート氏と変わらないレベルだったと言えます。少年らしい性急さで手っ取り早い答えを求めるロバート氏に対して、金持ち父さんはお金に関する知識を伝授していくのです。そう、お金持ちになるための第一歩、それはお金に関する知識、いわゆるマネーリテラシーを強化することなのです。
 
マネーリテラシーに関する話題の中の一つが、冒頭の議論になります。
誰のために働いているのか?本書でも同じような議論が、金持ち父さんから繰り返し持ち出されています。
従業員は自分の時間を雇用主に売って収入を得ますが、彼らが出した利益は雇用主のものです。
 
「貧乏人はお金のために働くが、金持ちはお金に働いてもらう」
 
これは金持ち父さんの教えの一つです。
雇用主のために働くのではなく、純粋に自分のためだけに働くことができたら、きっと素晴らしいことだと思いました。