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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

ヒストリエ好きなら必読!「ヘウレーカ」

 

寄生獣ヒストリエで有名な岩明均の歴史漫画、ヘウレーカを読みました。
 
古代ローマ時代、まだ帝政に変わる前のローマはカルタゴハンニバルという最大の敵を迎えていました。ハンニバルは、9万の兵と37頭の象を連れてアルプスを渡り、ローマ領に侵入。連戦連勝を繰り返してローマ軍を苦しめました。
 
舞台はローマ領の肥沃な島、シチリア島シラクサです。
ハンニバルの攻勢を見たシラクサの市民が反ローマに立ち、カルタゴ側に寝返ります。小麦の自給率が低かった都市国家ローマは、食料の多くをシチリア島に頼っていた、という台所事情もあり、シチリアの謀反は捨て置けない事態です。
一方、シラクサに住むローマ人は微妙な立場に置かれていました。反ローマに立ったものたちから迫害されます。
スパルタ出身の主人公ダミッポスは、筋骨隆々としたスパルタの戦士。ではなく、ひょうひょうとした感じの優男です。情勢が大きく変わろうとしている中、ガールフレンドのクラウディアとのんきにピクニックをしていたりします。
 

岩明均のヒーロー像

このヘウレーカの主人公、ダミッポスは、ヒストリエの主人公エウメネスに通じるものがあります。ひょうひょうとしていて、頭脳明晰、弁舌が立つ。権威的なものに対して懐疑的で、物言いもクールで都会的です。
アレキサンダー大王に仕えた実在するエウメネスを主人公としているのに対して、このダミッポスも、プルタルコスの「マルケルス伝」にほんのすこしだけ登場する実在の人物なのだそうです。共に、記録が多くはなく、ブラックスボックスの多いキャラクターであるため、想像で補完できる余地が多いです。
大長編のヒストリエを描く前に、このヘウレーカを書くことで、ヒストリエの準備をしていたのかと思います。
岩明均の描くヒーロー像に好感を持つひとは、きっとこの作品を好きなるのではないかと思います。