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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

何が君を駆り立てるのか?劇場版サイコパス感想

【映画パンフレット】 劇場版 PSYCHO?PASS サイコパス

個人的には2期が散々だったサイコパス。劇場版で盛り返すことを期待していましたが、あえなく撃沈(あくまで、個人的な感想です)。
なんでなんだろうとつらつらと考えておりますと、やはり脚本のまずさがあります。
幻のマキシマから、「何が君を駆り立てるのか?」と狡噛が言われていましたが、それはクライマックスまで観てきた僕(観客)にもわかりませんでした。
このセリフが、この映画脚本のまずさの全てを物語っていると言えます。
何が君を駆り立てているのか?狡噛よ。そして常守よ……

 

登場人物の行動原理がよくわからない

アニメと映画の違うところは、尺の制約がより厳しいということ。開始30分程度ではじめの大きな転機がないと、居眠りを始めるか、トイレに立ちたくなるというものです。
プロットポイント1で、テロリストの脳内記憶に狡噛が写っており、それを見た常守は、狡噛を追ってアジアへと出張することを決めます。
手がかりはほぼゼロの状況で、いてもたってもいられなくなって単身戦場に行っちゃうというのは相当の動機がなければできないことです。

 

それは愛?

常守が狡噛を好きなのはわりとあからさまですが、紛争地帯まで想い人に会いに行ったにしては恋愛描写がありません。舞台を海外にしたのなら、回答は思い切り恋愛寄りにするか、思い切り社会派にするか、の二択だと思うのですが、結局どっちつかずの感じが否めません。
刑事ドラマというものは、主人公たちの動機について深く考える必要がありませんでした。なぜなら、刑事は事件を追うのが仕事だから。
劇場版では「捜査の一環」だと繰り返す常守ですが、明らかに常守の行動は日本の公安の職務を超えています。
だから、職務を超える行動には動機が必要でした。しかし、それが伝わってこなかったというのは残念です。
槇村のセリフ「何が君を駆り立てるのか?」は、登場人物の動機がよくわからないという映画の致命的な欠点を浮き彫りにしていました。「死人はひっこんでろ!」って狡噛は言っていましたが、そりゃないです。

どうせなら後者の方を見たかった。

いっその事シャンバラフロートから物語をはじめて、局長命令で派遣されたほうが面白かった気がします。紛争地帯なんてたとえ上司に命令されても行きたくないですが、狡噛の存在をちらつかせればエリート社畜の常守は喜んでシャンバラフロートまで行くと思いますし、そうすればシャンバラフロートの歴史、情勢がもっと丁寧に描写できたはずです。
私もよくしつけの行き届いた社畜なので上司の命令なら、「まあ仕方ないか」と思っちゃいますしね。(まあそれでも私なら行きたかないけど)

キャラクタで言えば、やはり悪役キャラの魅力不足が否めませんでした。
1期の槇島は悪役として魅力もあったのですが、2期、劇場版はなんだか槇島の派生版という感じが否めなかったです。しかし、マッチョに義手にインテリで、声が石塚運昇って、まんまカウボーイビバップのジェットじゃないか。
そういえば狡噛の髪型もなんかスパイクに似てるような気がするし。

見どころはギノさんの活躍でしょうか。さすが、鍛えてきただけあって見違えるほど強くなってます。

戦争=悪、独裁者=悪、民主主義=正義、みたいな構図は正直お腹いっぱいです。それを前提としてもいいから、次の議論に持ち込めるようなテーマの選択をしてほしいな、と思った劇場版でした。

 

サイコパス二期の感想も書いてますので、よかったらどうぞ

jin07nov.hatenablog.com