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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

鉄腕アトム 地上最大のロボットの巻

 

手塚治虫鉄腕アトムKindleで見られるじゃないか!!
ということに気がついて深夜にポチッとしてしまいました。いやはや、思い立ってすぐに見られるというのは便利ですね。
 
鉄腕アトムの13巻は、「地上最大のロボットの巻」が一冊まるまる収録されています。この話は浦沢直樹の「PLUTOプルートウ)」の元ネタとして有名です。
 

あらすじ

 
某国の没落した元国王が100万馬力のスペックを持った地上最強のロボット「プルートウ」を作らせました。元国王は、プルートウが世界最強のロボットだということを証明するため、世界中の10万馬力以上のロボット七体を破壊せよ、と命じます。
手始めにスイスの木こり型のロボット「モンブラン」が血祭りに上げられ、世界が震撼し、スイス国民は悲しみに暮れます。
そして、プルートウは日本が誇る十万馬力のロボット、「アトム」に戦いを挑みにやってくるのです。
 

強さこそが価値なのか?

 
アトムは十万馬力、対するプルートウは百万馬力。十倍の出力差の前になすすべのないアトム。お茶の水博士が仲裁に入り、プルートウは一旦去りますが、このまま続けていれば負けて破壊されてしまうのは必至。再戦を宣言したプルートウが再び日本に来る前に、自分を百万馬力に改造してくれと博士に頼むアトムですが、博士はこれを断ります。そのときのお茶の水博士のセリフがとてもいいのです。
 
いいかい、アトム。十万馬力のロボットだってちっとも恥ずかしくないんだよ。もしちからの強いのだけが偉いのならプロレスの選手が世界一偉いことになる。だが実際はそんなことはない。
十万馬力のロボットだってその使いかたによっては世界一のロボットになれるのじゃよ。

 

 

強さ以外の価値とは何か

 
プルートウ以外のロボットたちは、強さ以外の価値を持っていました。それは、孤児を集めて養育していた「エプシロン」のような慈愛に満ちた優しさだったり、あくまで一体一での戦いに固辞して散った「ヘラクレス」のような誇り高い心だったり、親友モンブランを殺された怒りに燃える「ブランド」のように友だちを思う心だったり、危険なプルートウを破壊せずに生け捕りにして裁判にかけようとした「ゲジヒト」のような正義を貫く公正さだったり。
それぞれのロボットはちからはプルートウに負けていましたが見えない価値を持っていました。
 
結局のとろ、プルートウはちから以外の価値をアトムの中に見出し、「きみのように誇り高いロボットと闘うことは俺の恥だ」と元国王の命令に背いて、アトムを逃がします。
 
そして、プルートウよりも強力な、二百万馬力のちからをもつロボット「ボラー」の前に破れるのです。
 

目に見える価値は儚い

 
とかく我々は一つのものさしで人間を測ろうとしますが、目に見える価値というものはとても儚いものです。プルートウは確かに最強のロボットでしたが、彼をベースに作られたより強力なロボット、ボラーの前ではなすすべもなく破れてしまいました。
 
目に見えない価値こそが最も尊いのだと思います。
未読の方は、ぜひ!