2019年7月。第161回芥川賞をみごと受賞されたのは今村夏子さんだ。かねてから上手な小説を書く人だと思っていた。力のある人が評価されるのは嬉しい。自身の敬愛する小川洋子の推挙で芥川賞を受賞したというのも何かの縁を感じる。まだ三十代と若い方なので…
この小説の、長く謎めいたタイトルの意味するところとは一体なんであろう?色彩を持たない多崎つくるとは、すなわち「自分を持たない」ことを表しているのではないかと思う。身もふたもない言い方をするなら、この話における巡礼とは「自分探しの旅」だ。一…
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