ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

2014-01-01から1年間の記事一覧

サイコパス2期が1期よりも面白く無い理由を考えてみた

2期の終わり方があんまりだぁぁぁぁぁだったので、ストーリーテリングの観点からどこがまずかったのか考察してみることにしました。脚本が虚淵玄じゃなかったから。と言うのは易い。確かに一言で言えば脚本のまずさが理由だと思います。でも具体的にはどこが…

ラノベをハリウッドにしたらこうなりました。オールユーニードイズキル

桜坂洋のライトノベル、「オールユーニードイズキル」がトムクルーズ主演で映画化したということで話題になりました。ハリウッドが認めたライトノベル、という評価です。以前原作は読んでいましたが、確かにこれは映像化に向いた題材の話だと感じました。 パ…

ヤ◯ザの指南役くらいにはなれます?マネーロンダリング入門

Kindleのトップセラーに冗談のような題名の本が並んでいたので購入しました。中身はいたって真面目な経済の本でした。 実際に起こった事件、カシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件などをニュースでは報じきれなかったレベルの細かい検証、解説を交えて…

某和製ロールプレイングゲームの影響をもろに受けてる?「CASSHERN」

Huluでみました。 「逃亡者」を観るつもりだったのに、Huluでの放映契約が切れたのか、なくなってた。。。 好きな映画はやはり買うべきですね。 さて、この「CASSHERN」、和製SF映画で、宇多田ヒカルの元夫 紀里谷和明が監督、宇多田ヒカルが主題歌を歌った…

痛烈な風刺とディストピア P・K・ディック「流れよわが涙、と警官は言った」

フィリップKディックの「流れよわが涙、と警官は言った」を読みました。ディック作品は「ユービック」に続いて二作目です。この作品もなかなかよかったですが、個人的な好みとしては「ユービック」のほうが好きかな。 あらすじ 1988年のアメリカ。3000万人の…

祝 連続投稿30エントリー!

とりあえず、ブログを開設したからには30エントリーは毎日やろうと決めていましたが、本日で連続投稿30エントリーに達成しました。 書評ブログというものの性質上、本を読まないと更新できないため、今後もこの更新スピードを維持するのは難しいと思います。…

いまさら聞けない株のはなし?「超初心者の株入門」

恥ずかしくて、いまさら聞けない。なんて銘打ってありましたが、あまり資産運用の話っておおっぴらにしませんよね。機関投資家同士ならまだしも、普通の会社員がそういう話をするのってちょっと抵抗があります。 でも、何年か前に辞めた同僚が、実は株で収益…

人工知能は人に近づくことができるか「マッチ箱の脳」

著者の森川幸人は、プレイステーションゲームの、「がんばれ森川君2号」の開発者です。やったことはないんですが、一時期すごく話題になってました。って、もうだいぶ昔の話ですが… この本は主に、プログラマーや研究者以外の人にもわかりやすく人工知能を理…

目指せネオニート?「それでもやってみたい人の初めての株 入門の入門」

先週のWBSで60万円の元手から約十年で20億円にまで運用資産を増やした株式投資家の片山晃さんが紹介されていました。決算短信から企業の状況を判断し、社会に対して有益な事業内容のベンチャーには積極的に投資する姿勢がクローズアップされていました。株式…

左側には面白いことを書いてください「あなたを天才にするスマートノート」

岡田斗司夫の「あなたを天才にするスマートノート」を読みました。 著者の岡田氏が以前オイコノミアに出演されており、そのスタイルが話題になっていました。 この人FREEexという会社の代表取締役なのですが、印税なしで本を書いたりしているそう。どうやっ…

勇気とは一体なにか?「鉄腕アトム 3 アルプスの決闘の巻」

恐怖を我がものとすることじゃ! というわけで、鉄腕アトム3巻のアルプスの決闘の巻を読みました。 言わずと知れた名作、鉄腕アトムがKindle化されているので、少しずつ読み進めています。 一巻、二巻はいかにも子供向けって感じで、荒唐無稽な展開の内容が…

女はみんなこう??「アラサーちゃん」

kindleで「アラサーちゃん」を買って読みました。 女性の目から見た(いや、峰なゆかから見た?)世界観の面白さが魅力の一冊です。 峰なゆかは元AV女優の漫画家で、くどき飯シリーズで知りました。 最近増えてきたとはいえ、一昔前まではタブー視されてきた…

生命と半生命の間「ユービック」

フィリップKディックの「ユービック」を読みました。ディックを読むのは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」以来です。ディックの作品の多くはKindle化されていますので、入手しやすいです。(イーガンも早くKindle化してくれないかな、早川さん) なる…

シンプルイズザベスト「All you need is kill」

All you need is kill は、トムクルーズ主演でハリウッド映画化されたライトノベルです。全体を通してシリアスでハードな展開が続きますが、会話とかはいかにもライトノベル、といった感じです。つまり、キャラクターのリアリティよりも萌えやテンポを重んじ…

日本の原風景「蟲師 (1)」

Kindleで蟲師が出ていたので、購入しました。不思議な感じの世界観が魅力の短編連作ものです。 舞台は作者曰く、鎖国を続けた日本、ないしは、江戸時代と明治時代の間にある時代、だそうで、主人公のギンコは洋服をきていますが、それ以外の登場人物は着物を…

やってはいけないストレッチ

わりと運動マニア的なところがあるでので、ストレッチには興味がありました。運動の前にするストレッチと、運動の後にするストレッチでは意味合いが異なります。ゆっくりと時間をかけて行うようなストレッチはリラックス効果があり、入眠前には効果がありま…

ダイエットは運動1割食事9割

社会人になってからデスクワークが中心で明らかに代謝が落ち、ついた脂肪が落ちにくくなってしまいました。こんな悩みを抱えている現代人はとても多いのではないでしょうか?ダイエットといえば、ジョギング、ということで一大ブームになっているジョギング…

浦沢直樹「プルートゥ」の感想

浦沢直樹のプルートゥをAmazonでまとめ買いして読みました。 プルートゥは、鉄腕アトムの「地上最大のロボットの巻」をリメイクしたものです。浦沢直樹らしいシリアスでより複雑な構成の話になっています。 細部がかなり異なっているものの、大きな筋として…

一九八四年

ジョージオーウェルの一九八四年を読みました。この本が書かれたのは1949年ですから、35年後の世界がこんな風になっているかもしれない、として書かれたものだと思います。あらすじ1950年代に起こった核戦争ののち、1984年現在では、世界はオセアニア、ユー…

チーズはどこに消えた?

チーズはどこに消えた?は自己啓発本です。 この本におけるチーズとは、生活の為に必要な食料であるとともに、幸福の象徴でもあります。 この本は教訓を含んだ説話的な話で、チーズに対してどう接するべきかを教えてくれます。 あらすじ 迷路の中に、2匹のネ…

ヒストリエ好きなら必読!「ヘウレーカ」

寄生獣やヒストリエで有名な岩明均の歴史漫画、ヘウレーカを読みました。 古代ローマ時代、まだ帝政に変わる前のローマはカルタゴのハンニバルという最大の敵を迎えていました。ハンニバルは、9万の兵と37頭の象を連れてアルプスを渡り、ローマ領に侵入。連…

ファムファタル 運命の女について考える

ファムファタルとは、フランス語で運命の女という意味です。文学、漫画、映画、絵画などの分野でよくモチーフにされています。 この場合の女とは、結ばれることで末長く幸せになれる女、というよりは、結ばれれば男を破滅に導く女のことです。 このモチーフ…

鉄腕アトム 地上最大のロボットの巻

手塚治虫の鉄腕アトムがKindleで見られるじゃないか!! ということに気がついて深夜にポチッとしてしまいました。いやはや、思い立ってすぐに見られるというのは便利ですね。 鉄腕アトムの13巻は、「地上最大のロボットの巻」が一冊まるまる収録されていま…

HOME 愛しの座敷わらし

日曜ロードショーでHOME 愛しの座敷童を観ました。東京で一つ屋根のしたで暮らしながらバラバラだった家族が、岩手の古民家で暮らし始めたところ、座敷童のおかげで仲良くなれました、という筋としてはシンプルなハートフルドラマです。気になったのは、なぜ…

「超簡単お金の運用術」

運用するほどの資産も無いのですが、後学のために笑 超簡単と銘打ってあるだけに、まず結論から書いてありました。 この本の結論 資産は低金利な銀行に預けていたら増えません。 リスクを最小限にしつつ、「損をしない」ベストではないけど、明らかな間違い…

「玩具修理者」

ホラーSF作家の小林泰三のデビュー作です。この完成度でデビュー作とは、驚きです。語り口、プロット、細部に至る世界観まで完成された極上のエンターテインメント小説でした。 本書は、表題の「玩具修理者」と、量子力学的な解釈でタイムリープものを描き出…

「第五の権力」

Googleの創始者の1人である、エリックシュミットが書いた、「第五の権力」を読みました。 ブログにツイッター、フェイスブックが流行したことによって、今までオーディエンスでしかなかった人たちが情報を発信できるようになりました。この権力の強さは計り…

1人の命と引き換えに3人の命を救うか否か「これからの正義の話をしよう」

ハーバード白熱教室で有名な、マイケルサンデルの「これからの正義の話をしよう」を読みました。 正義というと、なんだか堅苦しいイメージがあるような気がします。 それは、その言葉をかさにきて誰かを裁いたり罰したりすることが多いからかもしれません。 …

男らしさという呪い「男の子を追い詰めるお母さんの口ぐせ」

男の子がいるわけではないのですが、ジェンダー論として興味があって読みました。昔は僕も「男の子」だったわけで。 まず題名に惹かれたんですが、お母さんが「子ども」でも「女の子」でもなく、「男の子」を追い詰めるというのは、ジェンダーの違いが問題の…

物語として見たときの「ラストサムライ」の問題点

トムクルーズ主演のラストサムライがハードオフで安かったので買って観ました。 ハリウッドが武士道という日本人でも解釈の難しい概念を理解しようと本気で挑んでいることには好感がもてました。例え映画のなかの日本にちょっと違和感があったとしても、そこ…