ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

人工知能は人に近づくことができるか「マッチ箱の脳」

f:id:jin07nov:20141008232526j:plain

 
 
著者の森川幸人は、プレイステーションゲームの、「がんばれ森川君2号」の開発者です。やったことはないんですが、一時期すごく話題になってました。って、もうだいぶ昔の話ですが…
 
この本は主に、プログラマーや研究者以外の人にもわかりやすく人工知能を理解してもらうために難しい数式を排し、より小規模なシステム、マッチ箱のマッチなどを使った演習で人工知能の動きをシミュレーションしてみよう、という試みの本です。
 
人工知能というと、なんだか難しそうな気がしますが、普段色々なところで使われています。
ゲームのなかで、プログラミングされた敵キャラクターも人工知能なら、iPhoneのSiriのようなものも人工知能です。遺伝的なアルゴリズムを持っているという意味では予測変換機能をもった入力システムなんかも、人工知能と言えるでしょう。
 
たとえばアメリカには、人工知能がどれだけ人間らしく振る舞うことができるか競う、ローブナー賞というものも存在します。
会話はチャットで行われ、多くの人が人間だと騙されてしまった人工知能の開発者に対して賞が授与されます。
 
本書では人工知能の基本として、自己学習機能の基礎について論じています。
何か問題があったとして、それをどうやって解決していくか、自分で試行錯誤していくプログラムの仕組みです。遺伝的アルゴリズムニューラルネットワークといった、人工知能にとって基礎的なアルゴリズムを日常で使われるもので分かりやすく説明しています。
 
数学の苦手な人でも分かりやすく人工知能の基礎を学べる入門書でした。
ただ、マッチ箱の演習はめんどくさくてやらなかったけども……