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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

無知こそが最大のリスク「全ての日本人のための日本一やさしくて使える税金の本」

  

塩野七生の「ローマ人の物語」という本で、政治には長けているが経済に疎い政治家と、経済には長けているが政治に疎い政治家なら、後者のほうが為政者としては優れている、と断言していました。

 

政治における経済感覚とは、一つは税金のデザインに関することですね。どこから、どのくらいのお金を取るのか?国の変遷にともない、制度が変わり、デザインされてきた税金は、作る人間の側に、どういう国であるべきかという哲学がなければならない。本書でもそう述べています。

 

 

この本に興味を持ったのは、以前のエントリーで紹介した、「金持ち父さん貧乏父さん」で、従業員は雇用主に比べ、収入の大部分を税金として国に納めてしまうため、手元に残るお金が少ない。という話題を聞いたからです。そういえば、毎月の明細で大部分が税金として差っ引かれているな、と思い、手に取った一冊です。サラリーマンであれば、会社が大部分の事務処理を肩代わりしてくれるために、あまり馴染みのない所得税や、簡単なように見えて実は奥深い消費税、相続税やタバコ税、酒税など、広く浅く税金について述べています。

 

事業主が得をしている、と考えられているのは、事業の必要経費をサラリーマンよりも多く申請できるため控除額が大きいからです。しかし、サラリーマンの方も必要経費を一定額なら計上しているのです。日本では企業側が従業員の所得税を計算するため、この必要経費は企業側の申告が煩雑にならないよう定額になっています。

 

退屈にならないように、バーのマスターとそのお客の会話として税金に関する話題をするなど、読者を飽きさせないようにする配慮が嬉しく、入門書としてはうってつけの一冊ではないかと思います。

 

著者もあとがきで述べていますが、何も知らなければ議論ができず、損をするだけでなく無責任な人になってしまう。そう、無知こそがリスクなのです。