ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

チーズはどこに消えた?

 

チーズはどこに消えた?は自己啓発本です。

この本におけるチーズとは、生活の為に必要な食料であるとともに、幸福の象徴でもあります。
この本は教訓を含んだ説話的な話で、チーズに対してどう接するべきかを教えてくれます。
 

あらすじ

迷路の中に、2匹のネズミと2人の人間がいます。2匹と2人は迷路でチーズを探す日々です。ある日大きな部屋に食べきれないほどのチーズを発見し、2匹と2人は大喜び。その日から毎日安定してチーズを食べられるようになりました。
しかし、ある日チーズが底をついてしまいました。2匹はさっさとそのチーズに見切りをつけて、次のチーズを探しに行きましたが、2人は諦めきれない。チーズはまた再び現れるだろうと、その場で待つことにしました。しかし、2人の思惑は外れ、来る日も来る日もチーズは現れません。空腹と不安に苛まれ、不機嫌になる2人。そして、とうとう2人のうちの1人が今の場所に見切りをつけて、その場から離れる決心をしました。空腹は変わらないけれど、不思議ともう不安はありません。それどころか、勇気がわいてきました。迷路を何日もさまよっていると、また大きな部屋にたどり着き、そこには食べきれないほどのチーズがありました。その部屋にはチーズがなくなった日に別れた2匹のねずみがいました。一足早く、そのチーズを見つけていたのです。
 

思考しないシステムが最強なのか?

 
この話を読んだ時、本来の教訓とは違うような気がするのですが、ロボット工学の学者、ロドニーブルックスの言葉を思い出しました。 
 
思考だけで、行動しないシステムよりも、 行動だけして、 思考しないシステムのほうが、 よほど知的である
 

 

実際のところ、この場合ねずみの方が最良の結果を得ています。それは彼らが人間よりも知的に劣り、行動だけして思考しないからです。
 
「2匹と2人しかいない迷路でチーズを探す」ようなゲームの場合、行動だけして思考しない方が強いです。しかし、例えば、「1000人いる迷路でチーズを探す」ようなゲームだった場合どうでしょうか?
全員で協力してそれぞれの適性にあわせてチーズ探索部、チーズ管理部、などに別れ、居住区にチーズを集中させるシステムを作る。そうして、1日の働きに応じてチーズを与えるようにすれば、安定した労働環境が作れます。突然病気になっても、他の人がチーズを届けてくれるから安心です。また、より自由度が高い条件であれば、酪農でチーズを作った方が安定しています。
 
我々の生きる世界は「2匹と2人しかいない迷路でチーズを探す」より、もっと複雑ですが、複雑になりすぎて動けなくなった人を動かすためにはいい教訓なのかもしれません。
 
 
最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である
 
と言っています。
 
しかし、思考して行動しないシステムや、行動して思考しないシステムより、思考して行動するシステムの方が優れているのは自明です。
 
変化を恐れない勇気を常に持っていたいものです。