Netflixで上映中 勇者ヨシヒコシリーズの面白さは「あるある」と「はずし」
NETFLIXで上映中の『勇者ヨシヒコと魔王の城』にドハマリし、魔王の城と『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』を一気に見てしまいました。
特に、しょぼい魔法ばかり覚えて『使えない奴』認定されているけど、実はピンチを突破するのはいつも彼の『提言』という陰の功労者、メレブが一番好きです。ムロツヨシはメレブのはまり役で、彼の天性の胡散臭さと抜群の間のとり方がツボです。
とくに好きな呪文は相手をシャクれさす「シャクレナ」です。何と噛みあわせを悪くして敵を倒すことができます。無敵ですね。
2016年の10月には新シリーズ、勇者ヨシヒコと導かれし七人が放送決定して楽しみです。
そんな勇者ヨシヒコシリーズの面白さを分析してみました。
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あの傷が、あなたの生涯ただ一人のほんとうの恋人 充たされざる者
1989年に『日の名残り』でイギリス最高栄誉のブッカー賞を取ったカズオ・イシグロが6年後の1995年に上梓したのが本書、『充たされざる者』です。
日の名残りで作家として不動の地位を得たイシグロは、この『充たされざる者』でほんとうに書きたかったものを書き、これまでの最高傑作となったと自認しているそうです。
『充たされざる者』は、世界的に有名なピアニストの『ライダー』が、ヨーロッパのとある街に招かれたところから物語が始まります。その街は、住人の言によれば『危機を迎えて』おり、その危機を乗り越えるために『木曜の夕べ』なるリサイタルが開催される予定です。ライダーはそのリサイタルでピアノの演奏を依頼されているのですが、住人は慇懃な態度でライダーに接しつつも、彼に様々な頼みごとを依頼し、彼を振り回します。
また、ライダー自身も記憶が混濁しており、訪問のスケジュールや演目について思い出すことができず、初めて訪れたはずの街に妻と息子がいたり、イギリス時代の旧友に出会ったりと、時間と空間を超えて夢か現か大いに混乱していきます。
イシグロの小説を読むと、ああ、これが小説だよなあ、としみじみ感動するのですが、この作品もそのように感じました。
個人的な解釈は以下に記します。一部ネタバレがあるかもしれませんのでご注意ください。