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ほんだなぶろぐ

読んだ本、漫画、見た映画などについてのレビューを、備忘録を兼ねて行っております。

日本の原風景「蟲師 (1)」

 

Kindle蟲師が出ていたので、購入しました。不思議な感じの世界観が魅力の短編連作ものです。
 
舞台は作者曰く、鎖国を続けた日本、ないしは、江戸時代と明治時代の間にある時代、だそうで、主人公のギンコは洋服をきていますが、それ以外の登場人物は着物を着ていることが多いです。
蟲師というのは、架空の存在である「蟲」が引き起こす問題を解決したり、研究したりすることで糧を得る架空の職業です。
 
生命を腕に例えると、根元から1番遠い、中指の先端が人間。そして根元に行くにつれてより原始的な生命になっていき、より心臓に近い部分にあるものが「蟲」なのだそうです。
 
蟲師はひとところにはとどまらず、主人公のギンコは特に他の蟲を呼ぶ体質であるため、里から里へと一人で渡り歩く生活をしています。
 
どこかノスタルジックな雰囲気が全体から漂っていて、「蟲」の設定も絶妙です。戦いの末に破るような話はなく、それぞれ「蟲」が人間の生活に干渉するようになった過程にはなにかしらの因果関係があり、一方的に人間に悪さをしたり、味方になったりはしない。彼らは彼らのルールにのっとって動いています。
 
蟲師」は、問題の解決に当たっては、学術的な解決方法だとか、超常的な能力だとかは使用せず、どちらかといえば経験的、実践的な方法で解決に当たります。文献によるとこうしたら治った、とか。知り合いの蟲師はこうして解決した、とか。そんな感じ。なので、民間療法の寄せ集め、って感じなのですが、それがまたこの作品の雰囲気によくマッチしています。ギンコにとっても初めての「蟲」の場合もあり、そういうときは手こずるようです。
 
山里の風景や、登場人物の衣服、物語の展開がなんともいい雰囲気をだしており、昔の日本って、もしかしたらこんな感じなのかも?というリアリティがあります。
どこから読んでも味のある雰囲気の漫画です。